歯肉炎の治し方
名古屋市瑞穂区の歯医者「鈴木歯科クリニック」歯科医師の鈴木良典です。
今回は、歯肉炎の症状や、治し方について解説していきます。
歯肉炎とは
歯肉炎は、歯茎の炎症であり、軽度のものは自己治癒する場合がありますが、放置すると歯周病などの重篤な疾患に進行する可能性があるため、早期の治療が必要です。
歯肉炎の種類
日本歯周病学会による歯周病分類システム(2006)によると、以下のように分類されます。
- プラーク性歯肉炎(Plaque-induced gingivitis)
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一般的な歯肉炎です。歯ぐきのまわりに存在する汚れ(プラーク)、細菌によって発症する歯肉の炎症であり、歯ぐきが赤く腫れ、出血や痛みなどがみられる。しかし、エックス線所見やアタッチメントレベル(付着レベル)における支持組織の喪失はないもの
プラーク単独性歯肉炎(Gingivitis induced by dental plaque only)、全身因子関連歯肉炎(Gingivitis modified by systemic conditions)、栄養障害関連歯肉炎(Gingivitis modified by malnutrition)に細分される。
- 非プラーク性歯肉病変(Non plaque-induced gingival lesions)
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細菌性プラーク以外の原因によって生じる歯肉炎。プラークや細菌以外の感染による歯肉炎(Gingival lesions induced by other infections)、粘膜皮膚病変(Mucocutaneous disorders)、アレルギー性歯肉病変(Allergic reactions)、外傷性歯肉病変(Traumatic lesions of gingiva)に細分される
歯肉炎と歯周病との違い
歯肉炎は、歯茎に限局する炎症のことですが、歯周病は歯茎だけでなく、歯の周囲組織まで炎症が波及している状態のことを指します。歯肉炎だけでは歯がグラグラ揺れることはありませんが、歯周病は歯を支える骨(歯槽骨)も溶けていくため病状が進行するにしたがって、歯がグラグラ揺れてくることが特徴です。
両者は歯茎から出血する点など、類似の症状を示すため正しく鑑別するために歯科医院での歯周病検査とレントゲン写真検査が必要となります。
鈴木歯科クリニックでは、歯周病の状態の確認、治療を行うことが可能です。
プラーク性歯肉炎の治し方
- 1.歯磨きの改善
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歯肉炎の原因の一つは、歯垢の蓄積です。歯垢が歯肉と接触すると、歯肉が炎症を起こし、歯肉炎になることがあります。そのため、歯垢をしっかりと除去するために、歯磨きの改善が必要です。歯磨きをする際には、歯ブラシの先端を歯肉に垂直に当て、やさしくゆっくりとブラッシングし、歯垢を取り除きます。また、デンタルフロスや歯間ブラシを使用して、歯と歯の間の歯垢も除去するようにします。
- 2.口腔衛生の改善
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歯垢を取り除くだけでなく、口腔内の清潔を保つことも重要です。うがいや歯磨き後の水分摂取、タバコの禁煙などが有効です。
- 3.補助的に、洗口剤を用いる
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歯肉炎の治療には、口腔洗浄液を使用することが一部有効です。口腔洗浄液には、抗菌作用や殺菌作用がある成分が含まれており、歯垢の除去や口臭の改善にも効果がある場合があります。口腔洗浄液を使用する際には、歯磨き後にうがいし、口内を清潔にしてから行いましょう。
- 4.歯科医師によるクリーニング
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歯肉炎の重度の場合には、歯科医師によるクリーニングが必要です。歯科医師によるクリーニングでは、歯石を除去し、歯肉の状態を改善することができます。また、歯周ポケットに溜まった歯垢や細菌を除去することで、歯周病の発症リスクを低減することができます。
- 5.抗生物質
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歯肉炎が進行している場合には、歯科医師によって抗生物質が処方されることがあります。ただし、抗生物質は炎症を抑える効果がありますが、歯垢の除去には効果がありません。
20歳以上の場合は、歯周病へ移行することも少なくありません。年に数回は歯科検診を受ける習慣を身につけることが大切です。
まとめ
歯肉炎の治療には、歯磨きの改善や口腔衛生の改善が基本的な治療方法です。歯肉炎と歯周病は歯茎から出血があるなど似ている症状があるため、正しく判断するためには歯科医院での歯周病検査やレントゲン写真検査が必要です。
歯科医師によるプロフェッショナルクリーニングや抗生物質の使用も必要に応じて行われます。
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